前回の記事では、ミッションと目標の関係に関してまとめました。
今回は、ミッションを策定する際に気をつけることについて図にしてみます。
非営利組織に限らず、あらゆる組織で参考になると思います。
ドラッカーは次のように述べています。
非営利組織には、機会、卓越性、コミットメントの三本柱が不可欠である。ミッションには、これら三つの要素を折り込まなければならない。さもなければ、目標は到達されず、目的は達成されず、いかなる成果も得られないことになる。やがては組織内の人を動かすこともままならなくなる。
図3: ミッション策定で気をつけること
1.機会
策定しようとしているミッションは、社会のニーズ、機会に応えるものかどうか。
さらには、社会の課題を解決するものか、社会を変革するようなものであるか。
2.強み
いかに美しいことを言っていても、実現できなかったり、持続できなければ意味がありません。
持続的に成果をあげる土壌をつくるには、「強み」とミッションが合致している必要があります。
3.コミットメント
やろうとしているのが正しいことかどうか。
成果をあげるには、ミッションが信じられるものであり、ステークホルダーに共感されるものである必要があります。
これらの3つはミッションに必要な要素ですが、それ以外にも、「シンプル」かどうか、「永続性」があるどうかも気にする点です。
シンプル
前回書いたように、ミッションをシンプルな言葉にしておくことで、事業範囲を柔軟に変えられます。
クックパッドのミッションは、「毎日の料理を楽しみにすることで、心からの笑顔を増やす」です。
コア事業のレシピ検索サイトの企画・運営に留まらず、11月から「やさい便」というサービスをスタートしています。
これは旬の野菜を宅配するサービスですが、ミッションから外れたものではありません。
「毎日の料理を楽しくする」というコンセプトは、シンプルでありながら、広い展開力を秘めたものとなっています。
永続性
引き続き、クックパッドの例で考えてみます。
クックパッドのミッション「毎日の料理を楽しみにすることで、心からの笑顔を増やす」は、一時代のものではありません。
次の時代にも求められることだと思います。
このように、ミッションは短期的な視点で定義するのではなく、長期的な視点で定めます。